『丸みを帯びている場所に焼印をいれることができますか?』
曲面に焼印を入れることは可能ですが、その曲面の素材や形状によって方法や技術が異なります。一般的に、専門の焼印機や専用の技術を使用することで、曲面にも焼印を入れることができます。しかし、完全に湾曲した表面や素材によっては、焼印が難しい場合もあります。素材や形状によって適切な方法を選択することが大切です!
平面ではなく曲がった表面や形状への焼印加工について簡単にご説明させていただきます。
・ロゴをいれる曲面の素材
・ロゴをいれる曲面の形状
・曲面にロゴをいれる焼印の仕様
・曲面にロゴをいれる焼印のデザインとサイズ
・曲面にロゴをいれる道具について
曲面に焼印をする素材
焼印をどのような素材にいれるのかが一番重要です。まっすぐな加工位置でも、きれいに焼印が入らない・入りにくい素材もありますので!
焼印でロゴや文字を綺麗に加工するには、焼印の印面を均一にあてることが必要です。曲面になっている素材が圧力をかけた時にたわんでしまうものや、曲面の表面自体に凹凸があるようなものでは、きれいな仕上がりで焼印をいれることができません。
また、焼印は高い温度での焼付けをするため、容易に溶けてしまう素材ではご利用いただけません。
ロゴをいれる曲面の形状・アール
曲面の種類には、球面(球曲面)・円錐曲面・楕円球面・トーラス(ドーナツのような曲面)などがあります。
硬い金属のはんこ、焼印でロゴをいれるには、複雑な曲面への焼付けをすることができません。特に楕円形や流線形(滑らかな曲線)への加工は不可です。
焼印加工で対応できる曲面については、均等な径の円筒形、もしくはゆるやかな曲線(アール)のものに限られてしまいます。
例えば、木製スプーンのすくう部分などの形状への焼印加工はかなり難しいです!スプーンの持ち手の部分も持ちやすいように、いい具合にアールがついていたり面取りをされているものが多く、柄の部分への焼印も難易度は高めです。
曲面にロゴをいれる焼印の仕様
曲面への焼印の仕様には2つのアプローチがあります。ひとつめは、いつも通りのまっすぐな焼印を、曲面にあわせて押し回しての焼付け。
もう一つが、曲面にあわせて焼印自体にアールをつけてあげる方法です。後にあげた、アール加工にする場合には、素材の曲面は一定である必要があります。手工芸品など、曲面の角度に個体差がある場合にはおすすめいたしません。
曲面にロゴをいれる焼印のデザインとサイズ
アール加工での製作サイズには素材の大きさにより上限サイズが決まってしまいます。球体の場合には、半径の7割以下、円筒形であれば、半径の5~6割程度が上限。
通常仕様のまっすぐな焼印で曲面に押す場合には、縦と横のサイズが大きすぎるものよりも、縦長、もしくは横長などのカタチでアールがゆるい面にそって焼付けをすることで、押し回す工程が簡単にできるようになります。言葉で説明すると、なかなか難しい・・・
曲面にロゴをいれる道具について
焼印加工できる加工道具の種類は、直火、電気、ホットスタンプなどがあります。曲面に対しては、手押しタイプの直火や電気が使いやすいかと思います。ランダムな曲面への素材への加工ではとくに、人間の手の微調整がきく手押しスタイルがものをいいます。※ホットスタンプ(焼印機)での加工は、上下のストロークのみとなりますので、均一な曲面素材にしか使えません。
ホットスタンプのメリットを活かした加工は、相手の素材が均一な形状(アール)の場合には、位置決めさえしてあげれば、かなりのクオリティでのロゴ焼印が可能です。
上の刻印は、ロゴ自体に製品と同じアールで製作、下側には受け治具として製品が収まるように設計し、かつ上の焼印と、下の受け治具が正確な位置でロゴ入れができる仕様にしています。
ホットスタンプでの曲面への焼印加工・絶対必要条件は、製品自体のアールが一定であること!
食べ物などへの焼印も、曲面のかたちをしているものが多いですね。食べ物、食品以外の曲面への焼印加工と比べると、まだ難易度は低い方かもしれません。
その理由は、やわらかさがあるためです。ぐりっと押し回した際に適度なやわらかさがあると焼印がずれにくく綺麗に焼き目をいれやすくなります。※あまりに強く押し込んでしまうとカタチが崩れてしまいますが・・・
曲面、丸みを帯びている素材への焼印をご検討の際には、加工予定の素材、焼印デザインなどとあわせてお問い合わせください。まずは、焼印加工ができるかどうかをチェックさせていただきます!!