【事例紹介】和菓子「ふやき」への焼印加工の可能性を徹底検証!

焼印加工は、製品にオリジナリティと高級感を与えるために非常に有効な手段です。しかし、素材の特性や形状によっては、加工の難易度が大きく変わってきます。

今回、お客様からご依頼いただいたのは、和菓子の「ふやき」への焼印加工の試し押しです。ふやきは、軽くて繊細な食感を持つ一方で、表面の凹凸や砂糖のコーティングなど、加工にはいくつかの注意点があります。

お客様の主なご要望は、

1.ふやきというデリケートな素材に、お客様のデザインした焼印が綺麗に入るか。

2.焼きつぶれや焦げ付きを防ぐ、最適な加工条件(温度・時間)を見つけたい。

3.複数の種類のふやき(丸白、丸ピンク、四角茶色)で仕上がりに違いが出るかを確認したい。

本記事では、これらの課題に対し、ホットスタンプTW350を使用した検証結果を、専門家の視点から詳しく解説します。

素材(ふやき)への焼印加工のポイント

和菓子への焼印

ふやきのような袋状で中が空洞の素材や、非常にデリケートで割れやすい素材に加工を行う際、最も重要なのは、加工時の圧力と素材の受け止め方です。

1.表面の凹凸(個体差)がある
ふやきは一枚一枚、わずかに膨らみ方や凹凸が異なります。
焼印の印面が全面にぴったり当たらないと、一部だけが濃く焼けたり、かすれたりしやすくなります。

レバーを下ろす際に、均等に押し込むイメージで力加減をコントロールすることで、多少の凹凸はカバーできることが確認できました。

2.砂糖コーティング部分には焼き目が入りにくい

ふやきへの焼印

一部のふやき表面には、砂糖がコーティングされている場所があります。
試し押しの結果、砂糖でコーティングされた部分には焼き目が入らないことが分かりました。

砂糖層が熱を受け止めてしまい、焦げとして残りにくいためです。デザインの配置によっては、「文字の一部だけが薄い/見えにくい」といったことが起こり得ます。

3.焼印にふやきがひっつく場合がある
高温の焼印を直接食品に押し当てる関係上、焼き付けの際にふやきが印面にくっついてしまうことがある点も確認されました。
連続作業をされる場合は、「焼印の温度をこまめに確認する」「焼き付け後に印面を軽くブラシで払う」など、作業性と衛生面の両方に配慮した運用が必要です。

加工の詳細(ホットスタンプを使った焼印加工)

今回は、3種類のふやき(丸白、丸ピンク、四角茶色)に対し、3種類の焼印デザインで検証を行いました。

焼印加工①(デザイン:シンプル)

使用機材: ホットスタンプTW350 + 真鍮製焼印(ひょうたんマーク)
加工温度: 300〜320℃
加工時間:1~2秒

加工結果

和菓子のふやきへの焼印

シンプルなデザイン(ひょうたんのような形状)での焼印は、色や形状の違いによる焼き目の仕上がり具合に違いはございませんでした。設定温度300度前後、1〜2秒の短い押し付け時間で、鮮明な焼き目が確認できました。

加工のポイント

シンプルなデザインのため、焼きムラも少なく、比較的容易に加工が可能です。線と線の隙間が広いため、多少押し付け時間が長くなっても、デザインとしては焼つぶれが起きにくい結果となりました。

焼印加工②(デザイン:細かい模様)

使用機材: ホットスタンプTW350 + 真鍮製焼印(葉っぱモチーフ)
加工温度: 300〜320℃
加工時間:1~2秒

加工結果

ふやきに細かいデザインの焼印

葉っぱデザインではシンプルなデザインと比較して、葉の隙間や細い線が集まっている部分で、わずかに焼きにじみが広がる傾向が見られました。とはいえ、輪郭全体がつぶれて判別できなくなるほどではなく、ロゴとして十分読み取れるレベルです。

加工のポイント・注意点

細かいデザインを鮮明に出すためには、押し付け時間をさらに短くする、または温度をわずかに下げるなどの微調整が必要になる場合があります。

今回のような葉っぱモチーフをお使いの場合は、焼印デザインの段階で細かい部分を少し太らせる/まとめると、量産時の歩留まり向上が期待できます。

焼印加工③(デザイン:細かい文字を含むロゴ)

使用機材: ホットスタンプTW350 + 真鍮製焼印(細かい文字入りロゴ)
加工温度: 300〜320℃
加工時間:1~2秒

加工結果

ふやきに細かいデザインの焼印

さらに細かい文字と模様を含むデザインでの検証では、押し付け時間が3秒以上になると、細かい文字や隙間の狭い箇所が焼きつぶれてしまうという結果になりました。

加工のポイント・注意点

細かい文字が含まれる焼印デザインでは、温度をやや低めに設定することで、焼つぶれを軽減することができます。押し付け時間も1~2秒で、押し付け加減も丁寧に調整する必要があります。

まとめ

今回の無料試し押しでは、ふやき3種類(丸白・丸ピンク・四角茶色)に対して、ホットスタンプTW350を使った焼印加工を検証しました。

ふやきなどの和菓子への焼印

検証から分かったポイント

・素材としては、ふやき全般に焼印加工は可能

・色や形状の違いによる「焼き目の入りやすさ」は大きく変わらない

・設定温度300度前後、押し付け1〜2秒で、くっきりとした焼き目が入る

一方で、

・表面の凹凸や個体差により、力加減を誤るとムラが出やすい

・砂糖コーティング部分には焼き目が入らない

・高温状態の焼印にふやきがひっつく場合がある

という、食品ならではの注意点も見えてきました。デザイン別では、

・シンプルなひょうたんマーク:もっとも安定してきれいに焼き目が入る

・葉っぱモチーフ:細い隙間部分でやや焼きにじみが出る

・細かい文字入りロゴ:300℃であっても、3秒以上押すと焼きつぶれが発生

という結果から、ふやきへの焼印には「シンプルで隙間の余白のあるデザイン」が特に向いているといえます。

 

試してみないと分からない。だからこそ「無料試し押しサービス」をご活用ください。

今回のふやきのように、「デリケートな素材」や「特殊な形状の素材」への加工は、実際に試してみないと分からないことがほとんどです。

私たちは、お客様の「こんな素材に加工できるかな?」という疑問にお応えするため、無料試し押しサービスを提供しております。

 

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