【事例紹介】河原の小石の断面にロゴを箔押しできる?ホットスタンプで徹底検証!

石への箔押し

今回は、お客様からご依頼いただいた「河原の小石のカット断面へのロゴの箔押し加工」の試し押し事例をご紹介します。一見すると加工が難しそうに思える石材への箔押しですが、どのような結果になったのでしょうか?

石は素材として硬く、さらに断面の“平滑さ”や“水平保持”が難しいため、圧力が均一に掛からない=転写ムラが起きやすいという特性があります。それらを克服して箔押しするための工夫や注意点について詳しく解説します。

素材(石)への加工のポイント

今回の試し押しで最も大きな課題となったのは、素材である小石の特性と形状でした。河原の小石は、その名の通り自然のままの形状をしており、カットされた断面も完全に平滑ではありません。さらに、素材自体が硬く、熱伝導性も一般的な加工素材とは異なります。

小石への箔押しテスト
箔押し用のシリコン製樹脂刻印

保持・支持の工夫:柔らかめのゴムマットやシリコンシートを下敷きにして「微細な段差」を緩衝。加圧面と素材の平行が出るよう、ジグ(治具)で位置決めを行います。

作業台の調整:石の重心・形状に応じて、クサビや当て木で水平を追い込み、プレス時の“逃げ”を抑えます。

温度・時間の最適化:ホットスタンプでは一般的に、温度・加圧・時間の三要素を同時に最適化します。石の場合は高めの温度設定とやや長めの押し付けで箔押しを狙います。

箔押しするために石を固定

小石のカット断面への箔押し加工の詳細

今回の試し押しでは、ホットスタンプを用いた箔押し加工を複数回にわたって検証しました。石材という特殊な素材に対して、どのような条件で箔が定着するのか、その可能性を探ります。

検証1:標準的な箔押し

使用機材:ホットスタンプ/シリコン製樹脂刻印/ナイロン用箔(ゴールド)
加工温度:150℃

石の断面に箔押し

加工結果

箔は石材表面に部分的に転写され、不完全ながら付着が確認できました。しかし、仕上がりは安定せず、転写ムラや不鮮明な部分が発生しました。

かすれた箔の加工

これは、石材断面の不均一さにより、プレス面と素材が完全に平行にならず、部分的に圧力が不足したためと考えられます。

ポイント・注意点

石材への箔押しは、素材の固定と表面の平滑性が非常に重要です。圧力をかけた際に素材が水平を維持できるよう、作業台の調整や素材の固定方法に工夫が必要です。また、高めの温度設定(140~150℃)と長めの押し付け時間(20~30秒)が、箔の定着には有効である可能性が示唆されました。

検証2:石の表面に接着剤を塗布しての加工

使用機材:ホットスタンプ/シリコン製樹脂刻印/ナイロン用箔(ゴールド)
加工温度:150℃

加工結果

石の表面をやすりで粗く研磨し、石の表面に接着剤を塗布してから箔押しを試みたところ、箔の定着は確認できましたが、仕上がりは不良でした。

接着剤が箔の質感や見た目に影響を与え、期待するような美しい仕上がりにはなりませんでした。

加工のポイント・注意点

接着剤の使用は箔の定着を助ける一方で、面のフラットさ・水平・加圧の均一を解決しない限り、ロゴのエッジが崩れる可能性があります。

まとめ

石の断面への箔押しは、素材固定時の水平保持と断面の平滑性(フラットさ)が確保できないと、安定した再現性が得にくいという結論でした。

石のカット面への箔押し

実際の検証でも、高めの温度(140〜150℃)・20〜30秒の押し付け・プレスによる熱圧着という条件下で箔は付きますが、完全・均一な転写には至らないケースが確認されています。

ホットスタンプでの箔押し加工を成立させるには、素材の保持治具の工夫や、加圧面と素材面の完全な平行出しが不可欠です。

焼印本舗では、このように素材の特性や形状によって加工の難易度が大きく異なることを理解しております。お客様ご自身で試行錯誤する手間を省き、最適な加工方法を見つけるために、無料試し押しサービスをご提供しております。どんな素材でも「これはできるかな?」と疑問に思われたら、ぜひお気軽にご相談ください。

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