食べ物にロゴや文字などを表現する手段として焼印が使われることが定番となりつつあります。 焼印本舗では、どんなに細かいデザインの線からでも忠実に再現してオリジナルの焼印をつくることができます。
でも、焼印でいちばん大切なことは焼印の美しさではなく、焼印をしたあとの仕上がりです。 今回は食べ物、食品(パンやバンズ、お菓子、お惣菜など)への焼印で失敗しないようにするためのやり方についてご紹介致します。
食品への焼印によくある失敗とは?
食品に限らず、焼印加工での失敗の多くは焦がしてしまうこと。 失敗の原因は温度、焼き付けの押し当てている時間、デザイン、食材。これら4つが主な失敗の原因。 それでは、それぞれの要素についてご説明させていただきます。
食品への焼印の温度とは?
焼き目をいれる加工の焼印では、素材ごとに違いがある燃焼温度の少し手前の温度で焼きを入れていきます。 素材の形や状態によってもこの焼き目が入るで温度には違いがあります。
例えば、玉子焼きの場合、しっかり目に焼いて調理されている厚焼きと、だし巻きのように水分を多く含んでいるようなものでは、焼き目が入る温度に違いがかなり出てしまいます。 おおよそ、300℃前後でどのような食材でも焼き目は入ります。
焼印をとりつける加熱道具の温度帯は 電気式半田ゴテが約550℃で、直火式は加熱している時間により温度の差があります。 ホットスタンプは350℃まで調整できます。
はじめての加工で、ぶつかるのが「温度の壁」です。焼印とは熱した金属でロゴや文字などの焼き目を入れる加工になります。焼印の温度がとても重要なポイントになります。
食品へ焼印する際の道具別の注意点
電気式半田ゴテでの焼印の際の注意点
コンセントに入れている間(通電している間)は、常に550℃を保とう加熱をし続けます。 目安の温度帯の550℃、それ自体が加工予定の食材の燃焼温度を超えていることがある場合も多いのですが、それよりもよく起きてしまう失敗につながるのが、 加熱しているアイドリング時間が長いこと。
飲食店やパン屋さんなど、焼印よりも大事なのは調理であったり、いいタイミングで料理を提供すること。 電気式の焼印加工をはじめる場合、焼印に熱が充分にいきわたるまでに約10分程度必要です。 加熱に時間がかかるため、先にあたためているケースが多くなります。
そしてアイドリング時間(焼印をせずに加熱している時間)が長くなってしまうと、550℃以上に焼印が熱くなってしまいます。 この状態で、焼印をすると、あっという間に黒焦げになります。
直火式焼印の際の注意点
ずばり加熱する時間です。 直接の火であぶって加熱するのが直火の焼印のやり方、加熱方法により焼き目が入る温度まで上がる時間には差があります。どの加熱方法をとられても、気をつけてもらうのが焼印に伝わっている温度の確認。
特殊な温度計などなくても確認する方法があります。杉やヒノキなど、木の板を用意してください。 加熱された焼印を食材に押し当てる前に、試し押しを木にします。 ここで熱くなりすぎている焼印は白いけむりがでて木が焦げます!
その場合には、時間を置いて冷ます。もしくは木に何度も焼印をする。金属の性質として蓄えられている温度は、より低い方の温度のモノに熱が移動します。間違っても、水につけて冷ますなどは控えてください。急激な温度変化による金属の変形につながることがありますので!
ホットスタンプで焼印する際の注意点
温度については特にありません。 1℃単位で温度をコントロールできるためです。 350℃以上の温度が必要な素材では使えない。 セットできる大きさに制限があること。
食品への焼印の焼き付け時間とは?
焼印加工では焼き目が入る適切な温度以上であれば、押し付ける時間は短めがきれいな仕上がりとなりやすい。
時間でいえば、1秒から長くても3秒ぐらい。 それ以上長く押してしまうと適切な温度であっても、どんなものでも焦げてしまいます。 長く押しても焼き目が入らない場合は、加熱する道具とやり方を見直してください。
加熱道具別のうまくできない原因について
電気式半田ゴテ
電気式の半田ゴテなどで長くおしあてても焼き目が入らない場合は原因は2つ。 ひとつめは、焼印の大きさと半田ゴテの種類。半田ゴテの種類とは、容量が違うもののことです。
100Wや300Wなどワット数で区別されています。焼印は金属ですので、加熱と同時に放熱(熱が逃げていくこと)もしています。 大きさが半田ゴテと合っていない場合、焼印の端の方まで熱が上がらないことがあります。
焼印本舗では、サイズごとにあらかじめ半田ゴテの適切な容量をセットにしています。
ふたつめが、半田ゴテの故障。セットで購入した適切なサイズでの半田ゴテと焼印で、どれだけ長く押しても焼き目が入らない場合は、半田ゴテの故障によるものとなります。
家庭用コンセントで使えて便利な一面、長時間の使用には向いていない機械です。 故障が疑われる場合は、すぐに使用をやめていただき、お問い合わせください。
直火式持ち手棒
直火式のやり方では、加熱の時間が長すぎることが主な原因となります。 もしくは、食材に原因がある場合など。
ホットスタンプ
ホットスタンプのやり方でうまくいかないケースでは、温度不足。 350℃以上の熱が必要な素材では違うやり方をご検討ください。
食品への焼印のデザインとは?
木や革などの素材と比べると食品(パンやバンズ、お菓子、お惣菜など)へのデザインの反映具合(焼き目として)はかなり低くなります。
比較する条件の定義は、適切な温度ということにした場合、素材別のデザインの再現性は以下の通りです。
■革
約100%から90%程度の再現性
(もちろん革の種類や状態により差はあります。)
■木
約90%から80%程度の再現性
(木の種類により差はあります。)
■食品
約70%から50%程度の再現性
ここでの再現性とは、くっきりとデザインがにじまずに焼き目として入っていること。 食品への焼印のデザインを作成される場合には、できる限りシンプルなデザインをおすすめしています。
焼印の焼き目は、焦げなので、デザインの黒ベタ部分が多い場合は焦げくさくなることもお忘れなく! 線と線の隙間はなるべく広めにあけていただくことも重要です。 焦げがひろがり焼きつぶれてしまいます。
焼印にするデザインを作成される時には、デザインの線と線の隙間を1~1.5mm程度、焼きにじみを考慮しての作成がおすすめです。
食品の種類による仕上がりの違い
食品によって焼き目としてのデザインの再現性には違いがあります。 焼印加工でよく選ばれている食材の焼印加工の難易度と注意点をまとめています。
■難易度 ◎超簡単 〇簡単 △やや難しい ×難しい
ワッフル 〇 凹凸さえクリアできれば。
最中 〇
クッキー △ 温度はおさえめがおすすめ。
マドレーヌ △
たい焼き △ うろこの型がじゃまをします。
スフレチーズケーキ ×
【パン】
食パン 〇 耳の部分の方が再現性は高い。食パンの断面は気泡でデザインが抜けやすい。バンズ 〇 導入されているお客様多数!ゴマありは要注意です。
サンドイッチ △ 食パンの断面は気泡でデザインが抜けやすい。
あんぱん系 △ うす皮がへこみやすく再現性が低い。焦げやすい。
蒸しパン △
メロンパン △ クッキー生地が少し焦げやすい
ベーグル △ 中央に穴があるので、加工位置が狭いため。
【惣菜】
玉子焼き 厚焼き 〇 お寿司屋さんででてくるようなシッカリ目のものはOK!玉子焼き だし焼き △ 水分が多いので、やるなら直火式がオススメ!
ゆでたまご 〇
かまぼこ 〇 焼き目が入りやすい。
おやき 〇 原料や状態により差があります。
湯葉 〇 以外にきれいにはいります。
鰹節 × にしましたけど面白い。
高野豆腐 ◎ 思っていた以上の出来栄えです。
豚まん・肉まん △ 皮を焼き過ぎないように!
【その他」
生肉 △ 細かいデザインは不向きです。みずみずしいので押しつけ時間長めの加工。ステーキ(加熱調理後) △ きれいに入っても色目が目立ちにくいため。 フルーツ △ 部位にもよりますが、皮への焼印もできます。
生ハム △
イカの一夜干し △ ご紹介している以外の事例もありますので、載っていない食材があればお問い合わせください。
さいごに
食べ物に焼印というひと手間を加えるだけなのに、やるのとやらないのとでは結果が違う!
一億総スマホ時代の現代ではビジュアルに訴えれるものが不可欠になっています。 「SNS映え」することも外せないビジネスの要素になってますね。 焼印で文字などをやきつける加工は古くから使われています。
実際に導入されているお客様からもうれしいお声をいただいています。 口コミで人気になり繁盛店になったり、テレビなどの取材が決まったり!
導入事例にてお客様の生のお声もご紹介していますのでご参考にしていただければうれしいです。 オリジナルの焼印を導入していただきましたお客様の事例一覧はこちら