今日のブログの内容は、紙への箔押し加工についてです。お持ちの刻印と加工道具(箔)で加工してもうまくいかないというお問合せをいただきましたので、ご説明させていただきます。
試し押しの紙の素材と一緒に箔と刻印を送っていただきました! 早速、ホットスタンプで紙への箔押しをしていきたいと思います。
刻印の種類はマグネシウム製の薄型 薄型の刻印は、主に箔押し用の金型として用いられています。安価で短納期なので、印刷関係の現場でよく使われる刻印。真鍮製などの金属と違い、溶剤で溶かしてデザインを形成する手法なので、デザインの彫りの深さがあまり高くすることができません。
加工機材への取り付けは、耐熱性両面テープでセットする刻印になります。名入れ・ロゴ入れでは、こちらの薄型刻印の方が、王道のスタイルです。業務用・プロ向けの刻印ですね!あまり長く使うデザインのロゴ入れというよりは、単発的な使われ方で選ばれています。
ホットスタンプにボンディングテープで固定して試し押しをしていきます! ボンディングテープそれ自体に、粘着力はありません!熱を入れることで金属と金属を固定することができます。100度以上にあたためてもらえれば、ひっつきます。ついでに、ボンディングテープのご注意をもうひとつ!ボンディングテープの種類により、温度に違いはありますが、最大温度というものがあります。 焼印本舗の取り扱いしているボンディングテープの耐熱温度は200度までになります。
それ以上を超える高温の加工には耐えることができません。接着剤が焼き切れて剝がれてしまいます!ボンディングテープで可能な加工温度は、おおよそ200度程度までになります。 種類の違う、ボンディングテープでの耐熱テストをしたことがあるのですが、300度近くまで耐えた強いボンディングテープも存在はしております!
一緒にお送りいただきました箔では温度設定を変えても定着しませんでした 箔押しは素材によって接着剤が異なります。紙に定着するタイプでは無いようでした。裏側の色を見る限り、おそらくナイロン系素材用の箔かと思われます。
薄型のマグネ版での加工でよくおきてしまう失敗。余計な部分に箔が・・・ 紙の素材でこうなってしまうので、革などやわらかい素材の場合はもっとついてしまうかもしれません。刻印オーダーの際には、金属もそうですが、彫りの高さにも注意しておくと後で困りません!
簡単に用意できるお手製の治具をゴムマットをカットしてつくりました! そんな薄型の刻印でも工夫さえすれば、対処法はあります。素材や刻印の癖さえ見極めてしまえば、綺麗に仕上がるような準備をしてあげることができます。それも、お金を掛けない方法で!身近にある、モノを使って簡易の治具?を作って加工の補助をします。
治具で加工位置だけを持ち上げるようなイメージです。 紙素材なので、加工位置部分だけが持ち上がってさえいれば、それ以外の部分はだらんと下がります。特に裏技でもなんでもないですが、準備するのに、1分もかかりません!
余計なところには箔がつかないようになりました。 少し、箔がつぶれてしまっておりますが、後は押し加減を調整するだけで良さそうです!
真鍮製の文字アルファベット(彫りの高さ約3mm)での箔押しの仕上がり 今回、箔押しをさせていただきました紙は厚みの違う3種類、どれも表面に凹凸がなく、とてもきれいな紙です。紙用の箔を使い、設定温度は120度で軽く押してあげるだけで箔が定着するようです。あまり、強く押し込んでしまうと、紙がヨれてしまいます。
箔押しがどうしても、うまくつかない場合には、箔の種類を確認するようにしてください。これもよく聞かれるのですが、設定温度は何度ですか?というお問合せ。箔押しの設定温度については、箔の種類によりあらかじめ決まっております!紙/革用だと110度 ナイロン用だと130度というように、接着剤が溶けて素材になじむ温度が決まっているのです。
自社で行うロゴ入れ、名入れ加工でお困り事があれば、ひとりで悩まずにお気軽にご相談ください!もちろん、すべてのお悩みにお応えできるものではございませんが、わかる範囲にはなりますが、きっちりご対応させていただきます。
ロゴ入れの加工が綺麗に決まると気持ちがいい!加工してみたい仕上がりの最初のひとつ目を作るまでは、とても地味な試行錯誤が必要です。あーでもない、こーでもないと考えながら解決策を見つけていきます。見た目で簡単そうな素材なのに、実際やってみると難しかったり、また、その逆も然り。創意工夫も含めて楽しんでいただければ幸いです!