直火(じかび)式の焼印は、難しそう、精度が低そう、危なそう、効率が低そうなど、印象が悪いイメージを持たれがちです。
直火式と相対するのが、電気式の焼印になるのですが、最初の印象(よく選ばれるのが)は電気式が圧倒的に良いのです。店長おかどめの個人的な意見にはなりますが、ひと昔前の野球界のパリーグのような扱いをされているのが直火式。華やかで人気のセリーグが電気式のようです。
実力があるのに人気が低かったひと昔前のパリーグに例えましたが、直火式の焼印は、用途や使い方をマスターしてしまえば、かなり使いやすい焼印のやり方です。
直火式の焼印の良さ、本当の実力をご説明させていただきます。
直火式の焼印は難しい?
温度制御、印面温度の調整については、電気式と直火式では少しやり方に違いがあります。電気式の焼印はコンセントにさしている間は、加熱し続けているので再加熱の手間が少ない。
実際の焼印を押す工程では、素材に焼き付けるごとに加熱された焼印の印面温度も下がります。焼印を押すタイミングが速い場合だと電気式の場合、焼き目が薄くなることがあります。
電気式は約550℃の温度帯をキープしようと加熱し続けます。直火式では炙る時間などで、それ以上の温度に上げることができるため、連続加工の場合だと強めに炙った焼印での連続加工は電気式よりも効率よく押すことができます。
直火式の焼印はめんどくさそう…
電気式と直火式の違いは、加熱方法の違いのみです。電気の力を熱に変えて焼印を加熱する電気式と、直接の火で加熱する直火式。
準備をはじめてからの焼印ができるまでの時間は、電気式で10~15分に対して、直火式は3分で最初の焼印を押すことができます。
焼き付けの工程で時間をかけたくない場合では、直火式がおすすめです。
直火式焼印のメリット
当たり前ですが、直火式の焼印はコードレス。コンセントもないので、コードなどもなく取り回しが電気式のタイプよりも身軽です。
加工機材だけの重量・重さも直火式の持ち手棒の方がかなり軽くなっています。
直火式の焼印は精度が低そう
焼印の失敗の主たる原因としては、焼き焦げてしまうことがあります。焼印の印面温度が高すぎることで、焼きにじみがひろがり焼きつぶれてしまう現象です。
直火式の焼印では直接の火で加熱するため、炙っている時間で焼印の印面温度が変わります。非接触型の温度計などあれば別ですが、今の焼印の温度が見た目だけではわからないと思います。
そんな時には、このやり方で印面温度を簡単に把握することができます。
木の端材などに、焼印の試し押しをし、焼き目の色や煙のたち具合などで、大まかではありますが、印面温度をチェックすることができます。
※温度を確かめるこの方法は、直火式だけではなく電気式の焼印でもおすすめです。