ホットスタンプを使って箔押しや型押し加工がやりやすい素材である「紙」ですが、形状によってはその難易度が上がります。
今回お客様より試し押しのご依頼をいただいたのが、袋状の紙パッケージになります。裏面に接合部があるため、そのまま加工しようとするとうまくいきません。
そこで、今回ホットスタンプを使って袋状の素材への箔押しや型押し加工についてポイントや必要な加工道具も合わせて解説させていただきます。
袋状の素材に箔押し・型押しする際に必要な作業台
ホットスタンプには袋状や筒状の素材に加工する際に便利な可動式の作業台を取り付けることができます。
ホットスタンプの本体部分を支柱から取り外し、別売りの可動式作業台を支柱に取り付けます。
六角レンチで簡単に取り付けることができ、自由に位置を変えることが可能です。
今回試し押しのご依頼をいただいた素材が、写真のように裏面に接合部があるため、この可動式の作業台を使って加工する必要があります。
素材を作業台に差し込み、箔押や型押しをしたい部分に裏面の凹凸が作用しないようにして加工を進めます。
ホットスタンプを使っての箔押し・型押し加工
今回のご依頼は、ホットスタンプを使って写真の紙素材への箔押しや型押しがキレイに出来るかという事。
そこで、温度を調整しながら箔押しと型押し加工を行っていきます。
箔押し
ホットスタンプでの箔押しは、紙の素材であれば基本的に110℃に温度を設定します。紙や革用の箔は、110℃で接着剤の層が溶けて素材に箔を定着させることができます。
素材によっては箔が付きにくい場合もあるので、その場合は温度を120~130℃に上げて試す場合もあります。
それから、素材によっては弾力性が低いものがあります。その場合は写真のようにゴムマットを設置してから素材を置いて箔押しをします。こうすることで、圧力をかけた際にデザイン部分がしっかりと素材に密着させることができ、箔が綺麗に付きます。
型押し
型押しについては決まった温度が無いため、素材に合わせて温度を調整しながら最適な温度と押し加減を探っていく必要があります。
今回の試し押しでは、ホットスタンプの温度を110℃、120℃、130℃で試してみました。刻印が入らないことはないのですが、素材自体に厚みがあまりないので縁の部分が変更し、若干変色してしまっております。
紙素材への型押しについては、素材に自体に厚みがないと綺麗な型押し加工は難しくなります。
まとめ
紙素材への箔押しや型押し加工は簡単そうに思えて意外と難しい部分もございます。箔押しは、デザインにもよりますがきれいに加工することが可能です。箔押しは温度さえ把握できればそれほど圧力をかけて加工する必要がないからです。
一方で型押しの場合は、箔押しと違ってしっかりと圧力をかけて押し込む必要があります。そのため、素材によっては変形してしまって綺麗な仕上がりにならない場合もございます。
素材によって試てみないとわからないことも多いため、是非今回のように無料で試せる試し押しサービスを購入前にご利用ください。
お客様に代わって担当のスタッフが試行錯誤の上、素材にして最適な加工方法などをお調べさせていただきます。素材によっては加工が難しい場合もございますので、その際はなぜ難しいのかなど詳細をお伝えさせていただきます。