今回の試し押しのご依頼は『薄い合皮に会社ロゴをいれたい。』
・焼印と刻印の見た目の違いを知りたい。
・箔押しと打刻の見た目の違いも知りたい。
※合皮(合成皮革) 基材の上に、塩化ビニル樹脂・ポリウレタンなどの合成樹脂を塗布し、いろいろな風合いを再現できます。
素材が合皮(合成皮革)の場合、素材の性質上できる加工は3種類。 生地の上に合成樹脂が塗ってあるので、合皮に型をつける場合は温度がポイントとなります。
それも、ある程度コントロールできる温度が必要になります。 ※機材として、半田ゴテなど温度が調整できない機材は不向きとなります。 先に結論から言ってしまうと、温度調整ができる機材での加工が必要になります。
刻印(素押し・型押し、型をつける加工)
刻印加工は、焼き目をつけないへこみをつける加工。 合成樹脂に型をつける=合成樹脂を溶かす。 設定温度は、110℃。 素材によっては、160℃程度温度が必要な場合もあります。
合皮への型押し加工には、温度の加減と押し加減も少し注意が必要になります!
箔押し(金と銀の箔をプリントする加工)
箔押し加工での設定温度は、110℃。 箔に含まれる接着剤の薄い層があるので、この接着剤が110℃で溶けるようになっています。 押しつけ時間は、ほんの1秒程度、軽くでOK!
焼印(焼き目をつける加工)
合皮に対して、焼き目をつける加工ができるか? 設定温度は、180℃。
やっぱり、樹脂がすぐに溶けてしまい、基材の生地が見えてしまっています。 いやなにおいもして、刻印にも汚れがついてしまいます・・・
打刻
熱を加えない圧をかけて型をつける加工です。 早速たたきます。
合皮素材の表面の合成樹脂が溶けてしまい下地まで見えています
さいごに
合皮にできる加工は、 刻印と箔押しの2種類の加工になります。 特に箔押し加工と合皮の相性が良く本革よりもきれいに簡単に定着しますのでおすすめ!おまけ
合皮に高い設定温度で加工をしてしまった時に、樹脂が刻印にへばりついてしまう事があります。
刻印に合皮の汚れがついてしまった場合のお手入れのやり方を動画でご説明していますのでご参考に!
素材:白と黒の合皮
使用した機材:ホットスタンプTW350 刻印
設定温度 110℃ 右上 箔押し
設定温度 110℃ 左上 焼印
設定温度 180℃ 右下 打刻 刻印+打刻棒 左下
合皮などに熱を加えた加工の際には、焼印に溶けた合皮がついてしまう事があります。 そのままの状態で冷ましてしまうと、樹脂が固まり印面にこびりついてしまいます。
焼印・刻印のお手入れをこまめにする事で加工の際の仕上がりもよくなりますので印面は大事に傷をつけないようにキレイな状態を保つ事をおすすめします。