今回の試し押しの素材は、サンダルです。サンダルといっても、表面に革張りされている製品になります。
刻印(型押し・素押し加工)での仕上がりをするには、 熱を加えない打刻式。金づちなどで圧力をかけて型を入れる加工。 ソールの部分はウレタン素材なので、圧力がかからない為、×。
焼きゴテなどでする、電気式焼印セットでの加工も、約500度ぐらいの温度の為、焼き目が入る、もしくは焼きつぶれてしまう事が予想されます。ご覧のように表面の革の素材が薄い為、あまり高温での加工はできません。
ということで、温度調整が可能な機材、ホットスタンプがおすすめです。 そこで、ホットスタンプを使って、ねらった場所に安定して加工を量産できるやり方をご紹介させていただきます!
使用するアイテムは、こちら。 ホットスタンプTW350。 オリジナル真鍮(しんちゅう)版。30mm*30mm Mサイズ。
サンダルの加工位置は、かかと部分の端から25mm空けた位置です。 以前に紹介させていただきました、100円ショップで揃うメモリ付きのカッターマットが、非常に重要な役割を果たします!
まずはホットスタンプTW350の作業台の端に合わせて固定します。
箔がある場合には、予めセットした刻印で、端に固定したカッターマットに箔押しをします! 箔が無い場合には、低温(約110度ぐらい、素材によります。)で型押しでもOK!
この場合の箔押しは、あくまでも作業台にセットした際の刻印の位置を把握する為なので、箔押し加工の仕上がりは特に関係ございません。位置がわかるのが大事です。
たてのメモリの4の線がかかとから25mmの位置。よこのメモリの5.5cmの位置が刻印の中央。
加工する位置決めの為に、素材を重ねてトレースしていきます。輪郭がわかるようにマーキング!
カッターマットに目印をつければ、作業台に戻して固定します。私の場合、仮どめなので洗濯ばさみで固定していますが、ある程度まとまった数量をされる場合は粘着テープでもOK! 但し、粘着テープの場合、素材を変えた際に作業台に粘着テープ跡が残ってしまう。
あまりに残ってしまう場合、水平のバランスが取れなくなる事がありますので要注意!
加工前のこの地味な作業こそが、安定した加工をするためには大事なんです。 製品への加工の最後の注意があります!
こちらのサンダルの場合、鼻緒の保護。加工する位置にもよりますが、今回の場所に加工する場合、鼻緒部分がホットスタンプTW350のヒーター部分に触れてしまいます。 素材にもよりますが、ほとんどの素材ではヒーター部分に触れるとダメージを受けて、溶けたり、変色したり、焦げたりしてしまいます。
かなり簡易的な処置ですが、セロテープで鼻緒を低い位置に固定してます。 大量に加工される場合は、この養生のやり方ではセロテープがもったいないので少し強めのゴムバンドや段ボールなんかでもいいかもしれません。 それでは、ホットスタンプTW350で型押し加工をします。
加工した感触としては、ソール部分のウレタンが柔らかいので、きちんと型が入っているか不安でしたが、設定温度は約130度ぐらいでこれだけ型が入っているので、もう少し上げてもいいかもしれません。
今回の試し押しで使用した商品はこちら。
型押し・箔押し・焼印加工をもっと自由に!ホットスタンプTW350 焼印や刻印で使えるオリジナル真鍮版が一番人気です!