焼印電気式セットでは電気ゴテによる加熱で焼印をあたため、木材や革、食品などの素材に焼き付けができます。
直接の火で加熱する直火(じかび)式の焼印と比べると、電気式の焼印は「簡単に焼印ができそう!」という良い印象を持たれることが多いのですが…
実は、電気ゴテ自体には、温度を調整する機能がない機種が多く、当店の電気ゴテもコテ自体には温度を調整する機能がない機種を採用しています。
そのため、電源を入れたまま長時間放置すると、焼印が必要以上に高温になり、素材を焦がしてしまったり、電気ゴテのヒーターが焼き付きを起こし故障につながることもあります。
そこで、今日は電気式焼印をより使いやすくするための、温度調整ができるパワーコントローラーのご説明を簡単にさせていただきます。
パワーコントローラーは、コンセントと電気ゴテの間に接続するだけで、出力電力を調整できる便利な機器です。出力を弱めることで、電気ゴテが過剰に高温になるのを防ぎ、焼き色を調整したり、素材に応じた温度管理がしやすくなります。
使い方はとても簡単で、ダイヤルを回して出力を調整するだけ。はじめは低めの出力から試し、焼き色を見ながら少しずつ調整していくのがおすすめです。
パワーコントローラーを使うことで、焼印本体やヒーターの寿命も延び、故障のリスクを減らしながら、安定した美しい仕上がりが可能になります。ぜひ、電気式焼印とあわせてお使いください。
温度調整ありの電気式焼印をつかいこなすには!
効率的な焼印の加熱をする
取り付け方は、コンセントに差し込むのと同じなのでとても簡単なパワーコントローラーですが、焼印の加熱をスタートする時からダイヤルを真ん中よりも低いところにあわせてしまうと、なかなかどうして焼印が熱くなりません。
温度調整有り、パワーコントローラーでの加熱のスタートは、ダイヤルはマックスにあわせていただき5~8分ぐらい加熱し、そこから素材にあわせた適温になるようダイヤルを調整すること。
「まずはしっかり加熱 → その後に調整」がコツというか時短の方法です!
温度設定のポイント
素材にあわせたダイヤルって?
200Wまでのパワーコントローラーは、MINからMAXまで6段階
400Wまでのパワーコントローラーは、MINからMAXまで15段階
機種によってダイヤルのメモリに違いはありますが、MINまで約250℃~MAXで450℃ぐらいの温度設定、温度帯になることを知っておいていただくと適温での焼印加工がしやすくなります。
適温とは
パワーコントローラーで温度調整をする時の適温って?
こちらの疑問に対してのアンサーですが、適温は、素材や仕上がりによって決まります。例えば、焼印加工(焼き目でロゴや文字などを表現する)の場合では、木材で300~350℃、本革の場合で200~250℃、食品の場合で、250~300℃が焼印をする時の温度帯の目安になります。
※この温度帯は、あくまで目安となり、素材の状態などによって変わります。
ダイヤルのメモリの段階・数に違いはありますが、MINとMAX、そしてちょうど半分の3つのパターンで使いこなせます。
木材への焼印ではMAXの温度帯を450℃とした場合には、MAXからひとめもり小さいところにあわせておくとおおよそ300~350℃になります。
革への焼印の場合では、MINにあわせたところでも少し高め設定となりますが、MINで温度調整をした上で、押し付け具合などで調整していただくと安定した加工ができます。
食品への焼印では、食材の種類や状態(常温・冷蔵・冷凍など)にもよりますが、ダイヤルはちょうど半分ぐらいの設定での加工がおすすめです。
トライ&エラーあるのみ
温度調整機をつかった電気式焼印ですが、立ち上がりの加熱の方法から、温度設定などのご説明をさせていただきましたが、やはり、大事なことは素材や仕上がりの種類にあわせて、適切な温度をみつけることこそが、安定した加工の仕上がりへの近道となります。
今回ご紹介させていただきました設定温度(ダイヤルのあわせる場所)は素材や加工の種類の最初の目安として参考にしていただき、実際に加工をしながら、ダイヤルを調整し最適な温度設定をみつけてください!