世の中って、どんどん便利になっています。今回の試し押しの素材は3Dプリンターで作られたモノになります。前から興味があったので、試し押しの内容よりもプリンターの事ばかり聞いてしまいました・・・どんどん性能がよくなっているので、簡易の治具作成にも使えそう!そんなハイテクの機械で作られた樹脂素材に箔押し加工をテストしていきます。
ハイテクな素材にローテクな刻印を!まずは素材をチェック。
立体成型された合成樹脂、少しカーブがある形をしている素材です。
高温で樹脂を溶かして成型できる3Dプリンターで作られている素材。ABS樹脂の強度と耐久性、耐衝撃性を備えた合成樹脂(フィラメント)。ある程度の弾力性があるものの筋が入っている方向に力を加えるとパキっと割れてしまいます。弾力チェックで一個割ってしまいました。
箔押し加工で使う道具は?
箔押しの加工とくれば、ホットスタンプになります。箔を定着させるには温度調整が必要だからです。刻印は、真鍮文字アルファベットの高さ3mmの小さいサイズで試していきます。
大文字のSAMの横幅は約10mm。
ホットスタンプで加工位置を決めるやり方は?
入れたい文字をホットスタンプにセットするところまでは省略します。ここでは、箔押しができる130℃になった状態からご説明を始めたいと思います。厚紙を使った簡易治具の作り方です。
- マークが入る素材をホットスタンプの作業台に張り付ける。
- 張り付けた紙に加工をして跡をつける。今回は目立つように箔押ししました。
- 跡をつけた紙を取り外す。※1
- 目印になるようにガイドラインを引く。
- ガイドラインを引いた紙を元の位置に戻して固定する。
※1 重要なのは、張り付けた紙をセットする位置です。取り外しても最初に決めた位置に戻せるようにしてください。作業台の角などに合わせた大きさだと便利です。
厚紙はカットしやすく、目印も書きやすいのでよく使います!
目印にあわせて素材をセットして加工します。
お布団をかけるように箔を乗せます。
次は試し押しの結果へ
合成樹脂の素材に箔押しの結果は?
箔押しの仕上がりは、いまいちな結果になりました。温度や箔の種類を変えて何回か試しましたが、素材にある横じわや、アールがかっている形状などの原因かと思います。
押しつけ時間が長いとべっとり箔がついてしまう・・・
かなり弱めに押した箔押し加工の仕上がり
真鍮の金属文字を使っているのでプラ系の素材にうまくなじみにくい。デザインサイズが大きいのですが、シリコン製の柔らかい刻印でもトライしました。
シリコン製の刻印で箔押しすると、きれいに箔が定着しました!
刻印自体に柔軟性があるので多少の凹凸をうまくカバーしてくれます。堅い素材への箔押しの新しい解決策ですね。シリコン製の刻印、箔押し加工の130℃なら溶けることはありません!
おまけの型押し加工。同じ130℃で軽く押すだけ!
ご要望には無かった型押しが一番きれいに仕上がってしまいました・・・フィラメント素材は熱で溶かして形成されています。程よい温度で溶かしてあげると、こんなにきれいに文字が入ってしまいます。
試し押し無料モニターをうまく使うには?
ご購入前や検討されている加工の仕上がりを事前に確認できる無料の試し押しのサービスについて店長からのお願いがあります。試し押しでお預かりするサンプル素材は一個だけでなかく、失敗分、試し押しの試行錯誤で使う分まで余分に送っていただければ助かります!思い切って、あれやこれやとトライアンドエラーを繰り返すことができますので!一個しかない場合、加工できる範囲が狭い場合などでは、充分に試すことができないからです。
革・木材・食品など、いろいろな素材のサンプルをお寄せいただいております。食べれるおいしそうなサンプルだって、つまみ食いは致しませんのでご安心ください。試し押し後のサンプルはお客様の元にご返送させていただきます。これも、一種のリモートワークですね!お気軽にご利用いただければ幸いです。