アルファベットや数字で識別番号(シリアルナンバー)をパンプスの内側に印字するというのが今回のご依頼になります。
婦人靴はあまり触ることがないのですが、なかなかしっかりとした素材。
内側に印字するので、製品が痛まない程度に押し広げたかったのですが・・・
箔をつかった印字を試すので、使う道具はホットスタンプ。
箔押しでは温度調整が必要です。問題はホットスタンプと名入れで使う真鍮文字アルファベットの加工できる位置に合わせれるかどうかです。
通常の加工では、作業台に製品や素材を置くのですが、縫製後の立体形状。そして硬い素材なので避けることができない部分があること。
ホットスタンプへの焼印や文字アルファベットなどのセットでは、専用のアタッチメントを使うことでカンタンに加工を始めることが通常の使い方。
加工位置に無理がある場合には、製品にあわせて焼印や文字を、もうひとつのセットの方法で取り付けることもできるのです。
それが、ボンディングテープ(耐熱性両面テープ)を用いるセット方法です。
金属と金属であれば接着させるボンディングテープを、ホットスタンプ本体にとりつけているアルミプレートに固定させることができます。
靴の開口部が狭いため、いつもとは違う側面に真鍮文字スロットを固定しました。
ボンディングテープは、熱を加えて接着剤を活性させないと固定することができません。
温度は100℃以上あればOK。
ここで、注意すべきポイントをついでにご紹介します。
ボンディングテープは種類にもよりますが、約200℃程度までの耐熱温度になります。
200℃以上の高温での加工をすることができません。
ひっつけている焼印や文字スロットが、ベローっと落ちてきます!
少し、無理があるのですが、なんとか靴を加工位置にあわせる準備がおわりましたので箔を印刷していきます。
箔押しで狙う位置が見えにくく緩やかなカーブになっているのでずれないようにテープで箔を仮止めしています。
靴をホットスタンプ側面にセットしているイメージ。
文字スロットがセットされている部分は高温になっているので、製品がヒーター部分に触れないように気をつけます。
ホットスタンプ本体から伸びている、バーは可動式作業台になります。
製品押しなどの加工にあると便利です。
黒の箔でアルファベットのEを印刷しています。
加工位置が囲まれているので正確性を欠いたし上がりとなっています。
革の素材への箔の定着は問題ないのですが、加工位置にゆとりが無い製品押しとなるのであまりオススメできません・・・
商品完成後の製品への名入れやロゴの加工ではきれいに仕上げることも大事ですが、もっとも重要なことは製品に傷をつけないこと。
加工位置を安定させる固定具の治具などがあれば、加工を安定させることができます。
ホットスタンプでの名入れ加工では、事前にサンプルをお送りいただければ無料でご希望の加工をテストさせていただきます。
加工の出来ばえや、希望の加工位置に無理なく押せるかなどをオーダー前に確認していただけます。
試し押しをさせていただきましたサンプルはお客様にご返送致しますので手にとってご確認していただけます。
特に箔での印刷(ホットスタンプ)などの場合は、素材と箔との相性も仕上がりに大きく影響するので事前の試し押しをしていただくことをオススメします。
お急ぎの案件などの場合、試し押しする時間が無い場合があります。そんな時にはお写真などお送りいただければ、その場でお応えさせていただきます!
名入れやロゴの刻印など、自分でする加工だから不安は解消しておきたいかと思います。
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・ 真鍮文字アルファベットを使って何ができる?
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