プラスチック(plastic)は、石油を原料として製造される合成樹脂で私たちの暮らしには欠かせないぐらい普及しています。
今回の試し押しのご依頼は、プラスチックのボードへの試し押しです。加工できるやり方とそれに係るコストを比較検証できるようにご紹介していきます。
プラスチックボードにできる加工の種類
数字やロゴをプラスチックへ加工する手段もいろいろあると思います。 削る。へこます。溶かす。プリント。ぐらいかな?焼き目をつけるのは合皮と一緒で厳しそうです。
削る Shave レーザー加工でする。
へこます deboss 圧力をかける打刻。
溶かす melt 温度を調整して型をつける。
プリント print hot foil 熱転写で箔をプリントする。
レーザー加工以外の3種類の加工を実際に試していきます。
※レーザー加工は、かなり細かい線でも表現できる加工で、平面じゃない素材にも有効。
コストについて、自前でレーザー加工機を用意して行う場合でも、今では低価格のレーザー加工機も出回っているので予算によっては有りですね。 気をつける点もいくつかあるようです、例えばプラスチックの種類によっては有害なガスが出てしまうこともあるようです。レーザー加工ではデザインによって必要な作業時間にも違いがあるようです。
へこます deboss 圧力をかける打刻。
金属の刻印をたたく圧力のみでへこみをつける加工。いわゆる打刻加工。 熱を加えない加工なので、打刻する素材により仕上がり具合に差が出やすいです。また個人の技術差もでてしまうこともあります。
ただし、道具のコスト面ではこのやり方が一番安い。 文字を入れ替えて打つ場合は、金属文字の個数。ロゴとして刻印をつくる場合ではサイズや個数によって必要な導入コストが変動します。
打刻で使う、持ち手の打刻棒は3,600円。
金属文字は、10文字で18,000円(総数により変わります。)+文字をセットするスロット9,000円(画像の真鍮文字スロットの場合)
刻印は、幅30mm*高さ5mmとして、真鍮製刻印Mサイズ11,800円。
入れ替え可能な文字での打刻(10文字の場合)
18,000円+9,000円+3,600円 30,600円
一つのロゴとしての打刻 11,800円+3,600円 15,400円
打刻のやり方で型をいれた仕上がりです。このプラスチックボードにはある程度のやわらかさがあるので、強めに叩いても割れることはないようです。輪郭が少しぼやけてしまっている印象、文字を並べた際の印面全体の圧力がかかり、文字1個の凸面だけでなく全体の圧もかかっている為かと思われます。
加工の安定度: △ 作業時間:◎ コスト面:◎
溶かす melt 温度を調整して型をつける。
温度調整ができる機材、ホットスタンプを使って刻印をしていきます。 熱のサポートで金属版の印面部分を溶かす加工です。 素材により型がはいる温度にはそれぞれ違いがあるので温度別に仕上がりもみていきます。
ホットスタンプでは、金属の刻印や文字などを取り付け、上下垂直にストロークするため、あまり個人のスキルの差が出にくいかと思います。
必要な機材のコストは以下の通りになります。
ホットスタンプTW350 59,800円+ 金属文字の場合は、10文字で18,000円(総数により変わります。)+文字をセットするスロット15,000円(TW350用の文字スロット)+ホットスタンプ 59,800円 95,800円
刻印は、幅30mm*高さ5mmとして、真鍮製刻印Mサイズ11,800円。+ホットスタンプ 59,800円 71,600円
温度は、130℃程度で加工できそうですね。 素材にあててから少しだけハンドルを押し込むと、130℃の仕上がりのように加工できました。
ホットスタンプでの加工では素材や製品サイズにより加工できる位置に制限があります。機械本体の支柱までの距離により、素材の中央には加工することができないという事も事前に確認しておく重要なポイントになります。
加工の安定度: ◎ 作業時間:◎ コスト面:△
プリント print hot foil 熱転写で箔をプリントする。
最後に、熱転写の箔押し加工をテストします。 箔押し加工で重要なのは、素材と箔の相性。プラスチック素材なのでナイロン用の箔を使用します。
箔押し加工のコストは、先ほどのホットスタンプのコストに+3,000円 箔の1本の価格がそれぞれに追加するだけです。箔は1巻 8cm×120m。
金属文字の場合は、10文字で18,000円(総数により変わります。)+文字をセットするスロット15,000円(TW350用の文字スロット)+ホットスタンプ 59,800円 +箔(銀)3,000円 98,800円
刻印は、幅30mm*高さ5mmとして、真鍮製刻印Mサイズ11,800円。+ホットスタンプ 59,800円 +箔(銀)3,000円 74,600円
ナイロン用箔の設定温度は130℃。素材が黄色だったのでシルバー箔で加工しました。 プラスッチクボードのいい感じの硬さとやわらかさ、矛盾してるようですが、箔押し加工はしやすい素材です。 文字の高さは約5mm、そこまで大きいサイズではない箔押しでこれだけきれいに定着しているので少し贅沢ですが加工としては◎
加工の安定度: ◎ 作業時間:◎ コスト面:△
入れ替えの文字か刻印か?
今回使用しているの入れ替え可能な真鍮製の文字です。 加工したい文字列の種類があまり無い場合では、一つの刻印としての製作の方がコストを抑えて自作加工ができます。 品番・型番の数が変動する場合では、特定のアルファベットと数字の組み合わせを自由に入れ替える事のできる金属文字として製作の方が融通がききます。
用途やご予算などによりおすすめの商品をご提案させていただきますので、どんな加工がしてみたいかのご要望のみでOKです。 加工の難しさや、もちろんできる・できないという検証から、仕上がりまでをご購入前に実物のサンプルでご確認いただけます。
試し押しに必要な費用はサンプルを送っていただく時の送料とサンプルをご返送する時の送料をご負担いただくだけ! 伊丹空港から車で10分ぐらいの場所なので、関西方面の方以外は往復の送料の方が安いはず。
試し押しは動画でもご確認していただけます。 押し加減など言葉だけではわかりづらい部分は動画でご覧ください!
焼印・型押し・箔押しの加工や、名入れをしている動画も多数アップしていますのでご参考にしていただければ幸いです。
今日も最後までお付き合いいただきありがとうございます!