少し前のニュースで話題になったアメリカンフットボール。例の危険タックルで・・・楕円形のボールを用いて競い合うスポーツです。文字通りアメリカでは、不動の一番人気があるスポーツ、ほぼ国技的な扱いをされているほどです。
兵庫県にある甲子園は阪神タイガースの本拠地、夏には高校球児の熱闘がみれる高校野球の聖地です。アメフトでも大学日本一を決める甲子園ボウルで使われています。関西のアメフト人気も高く主要な大会や伝統の一戦などでは数万人集めるそうです。
さて、そのアメフトでつかう楕円形のボールにロゴや文字をいれたいとのご相談をいただきましたので一緒に試し押しをさせていただきました。
アメフトのボールの素材は?
敵を知り己を知れば百戦危うからず。まずは加工する素材を知ることが大事です。
加工の温度の目安などの見当をつけやすくなりますので。ゴムや革などをつかうことが多いようですが、今回のボールはなんと関西学生フットボールの公式球。しかも、学生たちが一年間ほんとうに使っていたボール。
革のボールでは、豚の革がつかわれているそうで、起源はなんと!豚の膀胱。独特のあの楕円形をしているのはブタの膀胱を膨らまして使い始めたからっという説があります、納得。
なぜ楕円形のボールをつかっているのか?それは、どこに跳ねるか予測がつきにくいことや、ボールを遠くに投げる場合に空気抵抗を受けにくいことなどからの理由があるそうです。イレギュラーバウンドが多く、勝ち負けの勝負を左右することもあるため「勝利の女神の気まぐれ」っていわれてるそうです。いい響きでおもしろい呼び方です。
楕円形のボールへの加工 ロゴの焼印
お持ちいただきましたボールにまずはロゴの焼印をしていきます。ボールに空気がパンパンに入っている状態でしたので、少しだけ空気を抜いてもらい刻印をあてやすく調整しました。抜きすぎてもたわみが出るのでその加減は微妙です・・・
平面ではないので、あまり大きいサイズのロゴでやると失敗しそうなので、30mm*30mmぐらいの大きさでテスト。電気式の焼きゴテをつかってTRY。
思っていたよりも、すんなり焼き目が入りました。空気の抜き感も良かったのかと思います。写真ではわかりづらいのですが、実は最初の仕上がりはもっと白っぽいモヤがかかったような焼き目でした。
革なので、濃い焼き目がグッと入ると思ってたので、「何か表面に加工されてますか?」とお尋ねしたところ、
考えられるのは、1年間つかっていたボールなのでワックスが塗り重なっているのかも?っということでした。木製品への焼印加工でもよくある、表面加工問題。ニスや塗料などは、素材を保護する為にする仕上げなので、その上から焼き目を入れようとすると今回と同じくぼやけてしまいます。もしくは、焼き目が入らないこともあります。
この方法があっているのか、わかりませんが・・・手元に除光液があったので後でご紹介する文字の焼印では予めワックスを強制的に除去してから焼いてます。このロゴは焼いたあとに少し除光液で拭いた仕上がりです。水でも良いのかもしれませんでした。
ボールに焼きゴテで加工している動画もありますのでご参考までに!
楕円形のボールへの加工 文字の焼印
続いて、文字の焼印です。今度は温度調整ができるホットスタンプをつかって焼印していきます。設定温度は280℃から300℃。ピッグスキン、なかなか強くていい革です。ロゴの焼印で何かをつかみかけているので早速焼印していきます。
ちなみに、テストの文字列で入れている「KINDAI BIG BLUE」。関西学生アメフト1部の中から勝手に選ばせてもらったのが、私の母校でもある近畿大学。キャラクーもいてモチーフは完全養殖で有名な近大マグロ。
私が通っていた時代の近大とは様変わりしているようです、つんくさんが入学式プロデュースとか・・・
除光液で少し変色していますが、きれいに焼き目が入りました。
ちなみに、動画はあまりうまくいっていないバージョンの動画です、見ないで…ホットスタンプで焼印加工する雰囲気だけご覧ください・・・
チームのロゴや記念日・チーム名などロゴや入れ替え可能な文字を入れるには?
どのような仕上がりイメージで加工をやってみたいか、ご要望・アイデアをお気軽にご相談いただければ、低コスとでできる加工や自分でもできるムリの無い加工のご提案をさせていただきます。
ご予算・納期・数量などくわしいお話しをお聞かせいただければ、よりあなたにぴったりの商品・やり方を見つけます。
一緒に試行錯誤しながら、楽しく加工してもらえるようにサポートいたしますので
ご相談はお気軽にどうぞ。
おかげさまで、また私の引き出しがひとつ増えました。アメフトのボール。
楽しい時間をありがとうございました!